海がきこえる | 偽脚本書きが漫画に挑戦

海がきこえる

  監督: 望月智充   ジブリ



高知県土佐で青春時代を過ごした青年・拓が、帰省する飛行機の中で高校時代を回想していく。そのなかには、両親の離婚のため東京から引っ越してきた、成績・運動ともに優秀でありながらも、誰にも心を開こうとしない少女・里伽子の存在があった…。
スタジオジブリの若手スタッフが中心となって作り上げた青春TVアニメ・ムービーで、後に劇場公開。監督は『めぞん一刻 完結編』などの望月智充が担当している。作画枚数など他のジブリ作品に比べると見劣りするが、そこを逆手にとっての淡々とした味わいが、独特の好ましい雰囲気を醸し出している。また、それは現代の若者ならではの淡白さをも露呈させているような気もしてならない。氷室冴子の原作は、その後武田真治主演によるTVドラマ化もなされている

考察:この映画は高知県を舞台にしている。そして登場キャラクターは里佳子も含めてとても純粋なのだ。異性慣れしていない姿が青春の時代を思い出させてくれる。

 特にこの歳になって考えさせられるのは、僕が高校三年生だった頃そして大学に進学して一人暮らしを始めたこととだぶること。この作品の売りはおそらくノスタルジーなのだと思う。僕はこの映画を見て急に実家に帰りたくなった。

自分と重ねあわせることができる人にとってこの作品は忘れられないものになるはずだ。

また登場キャラクター全てに言い分がある。どれも悪いキャラクターではないのだという手法は僕好みの作品スタイルといえる。

この作品は昨今話題になっているはちみつとクローバーのやり方にとても似ている。キャラクター一人一人に言い分がありそしてありのままの姿を映す手法も。

なぜこの作品が日の目を見ないのか?ジブリ作品であるというのに知っている人は少ない。時代が早すぎたのだろうか?とても素晴らしい作品だと思う。ジブリ作品の中でも特にお気に入りの作品だ。

キャラクター考察

主人公 森崎は高知県に住む高校三年生。そしてその親友の松野も同じく高校三年生。高知県の方言?の土佐弁を使うことによってノスタルジーと純粋さを表現することに成功している。

 森崎と松野が親友になった経緯を描くことで後の二人の切ない友情がクローズアップされる効果を持つ。

里佳子が親の離婚で高知の母親の実家に転校してくるのだが、松野が好きになってしまうという設定。

里佳子は、徹底的に高知のクラスメイトとなじもうとしない。このキャラクターがこの作品の肝であってとても意地悪な女を演じている。だけど親が離婚したという設定が後々にこのキャラクターが意地悪な女でいけなかった理由が明らかになるにつれて視聴者がこのキャラクターに人間味を感じる手法。

純粋、真面目ということ


僕は田舎者だ。だからかもしれないが純粋、真面目であることが恥ずかしかった。でも今その純粋であったり真面目であることが素晴らしいことなのではないかと思う。

特に主人公の森崎と準主人公松野のやり取りにはいつも感動して泣いてしまう。

あーこうだよな。こうあるべきだよな。と思う。

最近、人間に疲れていたがこの作品を見たことによって自分の生きる指針が見つかった思いだった。

良い人間。 長らく忘れていた。