エマ | 偽脚本書きが漫画に挑戦

エマ

 第1~6巻 森 薫


森薫氏が贈る人気コミックの第1巻。19世紀末の英国を舞台に、貴族と使用人との身分違いの恋を描く傑作ラブロマンス

感想 ラブロマンスと書いているが、19世紀末のイギリスがリアルに書かれている。とても綺麗な背景画が描かれていてデッサン力があるなーと唸ってしまう。ラブロマンスと言いながら、そこまで見ていてベタベタしていない。それよりも19世紀末のイギリスの社交界の華やかさに感心してしまう。

これだけ細部にまでこだわっている漫画は珍しい。作者は後ろでメイド漫画家とか言ってオタクぶってるが、

この漫画自体には清潔感があふれ出ている。オタクっぽさはまるで無い。NHKがアニメにしたのはたぶんこの清潔感ゆえだろう。

演出  エマが勤めている雇い主である、老女(貴族の教育に携わっていたが引退して隠居している)が死んでしまうシーンがあるんだがよくできている。 

 冒頭で、エマはいつも通り掃除をしている。読んでいると気付かない。前話では、雇い主を看病していたということを忘れてしまうぐらいの普通な感じ。

 エマは、自分の部屋を掃除しながら初めてロンドンに来てこの部屋に住み始めたことを思い出す。そして窓から見る景色を見てここに来てよかったと思う。

で、現在に戻って窓からの景色を見る。 そして猫に餌をやりながら、もうここを離れるから次の家を探すのよ、と言う。 雇い主が死んでしまったことがやっと分かるのだが読み戻ってみると全てが分かる。

あー人が死ぬってことはこういうことなんだなーと唸ってしまう。

本当に良い漫画。 清潔感。 悪くない。