「脚本」を書く魅力 アドバイス | 偽脚本書きが漫画に挑戦

「脚本」を書く魅力 アドバイス

私は脚本を書く。しかし脚本を書きたいから書き始めたのではない。必要に迫られたから。映画を一本作った時点で、このままでは資金的にもきつく作品の質も、脚本を軽視していてはよくならないと考えた。

 脚本を書き始めた当初は、一行書くことすらきつかった。なまじっか眼が肥えているために、下手くそな脚本を書くことができない。辛い。そこでお奨めしたいのは、自分の経験を下にした作品を書くことだ。自分の経験には愛着があるため書きやすい。作品の質は度外視できる。これは書き上げるという点を重視すると非常に良いメリットだ。とにかく一本仕上げることが大切だと思う。

私が、初めて書いた脚本は、映画を作った経験そして挫折を下にした喜劇だった。自分の挫折を乗り越えるためにも、「カバジェロ」という作品を完成させた。世間の評価としては、まったく評価されなかったが完成した時、いままで生きてきた中で最高に感激した。この「感激」が今、書く上での原動力になっている。「やりたいことはやったなー。もう死んでもいいな」とその日は思った。

一本書き上げて喜びを力いっぱい感じよう。脚本を書くことは地味だと思う。世間に認められなければただの紙くずだ。書いているとときどき自分がなぜこんな馬鹿なことをやっているのかと悲しくなる。現実を見ると友達には彼女ができている。ときどき現実に取り残されているような気がするのはしょっちゅうだ。そんな状況でも書くことが続けられているとすれば、一本を書き上げたときに味わった「感激」だと思う。とにかく「一本」書き上げよう。それが脚本を書くための最大の肥やしになるはずだ。